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パラリンピックテニス金メダリストの行動特性とは

昨日閉幕したパラリンピックでテニスプレイヤーの
国枝選手が2大会ぶり3度目の金メダルを獲得し
「一生分泣きました」と万感の思いを語っていました。

私が国枝選手を直接拝見したのは、2010年11月に
初めて見学した「Know No Limit 2010」でした。

「Know No Limit」(挑戦に限界はない!)は、日本初の
脊髄損傷者の機能回復訓練ジム、J-Workoutが毎年秋に
開催している歩行披露イベントです。

ジムのトレーナーと共に長く険しい回復への道のりを歩む
脊髄損傷者がその成果を披露する場であり、彼らの家族や
友人、トレーナーなどが見守る中、サポートを受けながら
一歩、また一歩と歩む姿は熱気と温かい感動に包まれます。

J-Workoutでトレーニングを続けてこられた国枝選手は、
ステージに車椅子で登場しました。

そして、J-Workoutの創設者で当時の社長であった
トレーナーの故渡辺淳氏とアシスタントのトレーナーが
スタンバイする中、車椅子から立ち上がり17年ぶりに
ご自身の力で歩かれたのです。

どれほどのリハビリを積んでこられたのか、と
私は感嘆の思いで見つめていました。

渡辺氏は「もう貴方は一生歩けない」と宣告され、
悲嘆にくれ、諦めてきた何人もの脊髄損傷者の
機能回復を可能にしてきたことを
「奇跡はメソッドの中にある」
とJ-Workoutのトレーニングのユニークさを
紹介されていました。
私はそれを聞いた時、自身のコーチングの
メソドロジーに寄せられる多くのクライアントの
言葉と重なったことに深く心を動かされました。

渡辺氏は国枝選手へのトレーニングを通じて感じた
こととして、
「彼はテニスじゃなくても、他のことでも
成功する人だと思う。」
と話されました。

私はそれを聞きながら、渡辺氏は国枝選手の
行動特性を、成功するcompetencyをどのように
ご覧になっていたのか、とても興味が沸きました。

「歩いている自分のヴィジョンを思い描き、
トレーナーはじめ周囲の人と信頼関係を築き
ゴールに向かって決して諦めず
日々のトレーニングをたゆまず続け
自分と向き合う中に成長を見て
成果をトレーナーと喜び合い、感謝する」

そういう国枝選手の在りようを渡辺氏は
ご覧になり、成功する人に備わっている
行動特性として感じられたのではないか、
と今、もし叶うことなら伺ってみたいです。

渡辺氏は、トレーナーと厳しい回復への挑戦に
立ち向かう脊髄損傷者に勇気と希望を与えるために
挑戦したマラソン大会で倒れ急逝なさいました。
享年29歳。

その突然の悲報は「Know No Limit 2010」からほんの
数週間後のことでした。

J-Workout
http://j-workout.com/

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